
低未利用土地・事業用資産の買換え・住み替え特例をわかりやすく解説
こんにちは。
千葉県木更津市を拠点に、中古住宅・中古マンション・土地の売買を専門にしている株式会社ユーズドエステート代表の小林です。
今回は、令和8年度土地・住宅税制改正の中から、不動産を「売る方」「住み替える方」「事業用不動産をお持ちの方」に関係の深い、次の3つの制度について解説します。
1. 低未利用土地等を譲渡した場合の100万円特別控除の延長
2. 長期保有土地等に係る事業用資産の買換え特例の見直し・延長
3. 居住用財産の買換え等に係る特例措置の見直し・延長
税金の話はどうしても難しく見えますが、不動産売却では「売れる価格」だけでなく、売った後にいくら手元に残るかが重要です。
不動産売却は、成約価格がゴールではありません。
手残りまで見て、ようやくゴールです。契約書にハンコを押して終わり……ではなく、その後の税金まで見ないと、経営でいうところの“粗利を見ずに売上だけ見ている状態”になってしまいます。
低未利用土地等の100万円特別控除が延長
まず注目したいのが、低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の100万円特別控除です。
今回の改正では、この特例が令和10年12月31日まで3年間延長されました。資料では、一定の低未利用土地を譲渡した場合に、長期譲渡所得から100万円を控除できる制度として整理されています。
低未利用土地とは、簡単にいうと、十分に活用されていない土地のことです。たとえば、長年空き地のままになっている土地、使い道がなく放置されている土地、相続したものの管理だけが負担になっている土地などがイメージしやすいでしょう。
対象となる主な要件としては、個人が譲渡すること、譲渡価額が原則500万円以下であること、都市計画区域内にある一定の低未利用地であることなどが示されています。なお、市街化区域や用途地域設定区域に所在する土地、また所有者不明土地対策計画を策定した自治体に所在する土地については、譲渡価額800万円以下まで対象となる場合があります。
木更津市・君津市・富津市・市原市などでは、相続したものの使っていない土地、草刈りだけが負担になっている土地、固定資産税だけ払い続けている土地のご相談が少なくありません。
このような土地は、所有者様からすると「大きな利益は出ないから売っても意味がない」と思われがちです。しかし、売却価格が大きくなくても、税制優遇を活用できる可能性があるなら、結果的に手残りが改善することがあります。
特に地方・郊外の土地売却では、価格だけで判断するのではなく、
管理負担の解消
固定資産税の削減
相続人への負担軽減
税制優遇の活用可能性
まで含めて考えることが大切です。
弊社では、単に「いくらで売れるか」だけではなく、その土地を保有し続けた場合の管理コストや、売却後の手残りイメージまで含めてご提案するようにしています。
事業用資産の買換え特例も延長。ただし内容に見直しあり
次に、事業用不動産をお持ちの方に関係するのが、長期保有土地等に係る事業用資産の買換え等の場合の課税の特例措置です。
資料では、10年を超えて保有する事業用資産を譲渡し、新たに事業用資産を取得した場合、一定の要件のもとで、譲渡益について最大80%、一部では60%から90%の課税繰り延べが認められる制度として説明されています。この制度は、一定の見直しを行ったうえで、令和11年3月31日まで3年間延長されます。
この制度のポイントは、税金が完全になくなるわけではなく、あくまで課税の繰り延べである点です。
つまり、売却益が出た場合に、一定の条件を満たして次の事業用資産へ買い換えることで、その時点での税負担を抑えられる可能性があります。
たとえば、長年保有していた事業用土地や建物を売却し、別の店舗、事務所、倉庫、賃貸用不動産などに組み替えるようなケースでは、検討対象になる場合があります。
今回の見直しでは、建物やその附属設備、構築物について、対象となる用途が一定の「特定施設」に限定される内容が示されています。特定施設として、事務所、工場、作業場、研究所、営業所、店舗、倉庫、住宅その他これらに類する施設が挙げられています。
ここで注意したいのは、事業用資産の買換えは、売却価格だけで判断すると失敗しやすいという点です。
事業用不動産の場合、
売却益
取得費
減価償却
買換え先の収益性
将来の出口戦略
税務上の適用要件
を総合的に見なければなりません。
特に、不動産経営や事業承継に関係する売却では、「今売るべきか」「持ち続けるべきか」「買い換えるべきか」の判断が重要になります。
弊社は中古不動産を中心に扱う会社ですが、地域の土地・建物の実勢価格や流通性を見ながら、机上の税制だけでなく、実際に売れる価格、買い手の付きやすさ、再利用のしやすさまで含めてご相談を受けています。
税制は強力な道具ですが、道具は使い方を間違えると、切れ味が良すぎて自分の指もいきます。特例を使う前提で動く場合は、必ず税理士等の専門家と連携しながら進めることが大切です
居住用財産の買換え・譲渡損失の特例も延長
3つ目は、マイホームの売却・住み替えに関係する居住用財産の買換え等に係る特例措置です。
資料では、次の3つの制度について、適用期限が令和9年12月31日まで2年間延長されるとされています。
居住用財産の買換え特例
居住用財産の買換えに係る譲渡損失の特例
特定居住用財産の譲渡損失の特例
簡単にいうと、マイホームを売却して住み替える場合や、住宅ローンが残っている住宅を売却して損失が出る場合などに、税負担を軽減できる可能性がある制度です。
特に中古住宅の売却では、購入時よりも高く売れるケースばかりではありません。築年数や市況によっては、売却しても住宅ローンが残る、または譲渡損失が出ることもあります。
そのような場合でも、一定の要件を満たせば、税制上の救済措置が使える可能性があります。
住み替えでは、多くの方が次のような悩みを抱えます。
今の家を先に売るべきか、次の家を先に買うべきか
住宅ローンが残っていても売れるのか
売却損が出た場合、税金面で何か使える制度はあるのか
買換え先の住宅ローン審査は通るのか
仮住まいが必要になるのか
このあたりは、インターネットで調べても一般論が多く、実際には個別事情によって判断が変わります。
たとえば、住宅ローン残債、売却予定価格、次に購入する物件価格、年収、年齢、家族構成、勤務先、購入時期などによって、最適な進め方は変わります。
弊社では、木更津市・袖ケ浦市・市原市・君津市・富津市周辺で、住み替え相談を受ける際、単に「売却査定額」を出すだけではなく、次の住まいまで含めた全体設計を重視しています。
住み替えは、売却と購入が同時に絡むため、段取りを間違えると資金繰りが一気に難しくなります。
不動産取引で一番怖いのは、価格交渉よりもスケジュール管理です。価格は交渉できますが、引渡し期限は待ってくれないことがあります。
令和10年以降は災害危険区域にも注意
今回の居住用財産の買換え特例では、令和8年以後の譲渡について、買換資産が新築住宅であり、令和10年1月1日以後に居住する場合、災害危険区域等内にある住宅は対象外となる見直しも示されています。
近年は、台風、大雨、土砂災害、浸水被害などへの関心が高まっています。千葉県内房エリアでも、海に近い地域、川沿い、低地、崖地、土砂災害警戒区域など、立地ごとに確認すべきリスクがあります。
今後の不動産購入・住み替えでは、駅距離や築年数、間取りだけでなく、
ハザードマップ
災害リスク
将来の資産価値
住宅ローン控除や税制特例の対象可否
まで含めて確認する必要があります。
「安いから買う」「広いから買う」だけではなく、将来売る時にどう見られるかまで考える。これが、これからの不動産購入・住み替えでは非常に重要です。
中古不動産の売却では「税制」と「市場価格」の両方を見ることが大切
今回の税制改正を見ると、共通しているのは、単に制度を延長するだけではなく、対象要件が少しずつ整理・見直しされているという点です。
特に不動産売却では、
低未利用土地の100万円控除
事業用資産の買換え特例
居住用財産の買換え特例
譲渡損失の損益通算・繰越控除
など、知っているか知らないかで、売却後の手残りが変わる可能性があります。
一方で、これらの特例は要件が細かく、すべての方が使えるわけではありません。
だからこそ、売却を検討する段階で、早めに不動産会社と税理士等の専門家へ相談することが重要です。
株式会社ユーズドエステートでは、木更津市を中心に、袖ケ浦市・市原市・君津市・富津市エリアの中古住宅、中古マンション、土地、相続不動産、空き家の売却相談を承っています。
弊社の特徴は、地域密着で中古不動産に特化し、単なる高額査定ではなく、実際に売れる価格、販売戦略、売却後の手残り、将来のリスクまで含めてご提案することです。
査定価格だけ高く見せることは簡単です。
しかし、大事なのは「高く預かること」ではなく「きちんと売り切ること」です。
不動産売却は、入口より出口が大事です。
まとめ:売却前に税制を知ることで、手残りが変わる可能性があります
テ令和8年度税制改正では、不動産売却や住み替えに関係する複数の特例が延長・見直しされました。
特に今回押さえておきたいのは、次の3点です。
低未利用土地等の100万円特別控除は、令和10年12月31日まで3年間延長
事業用資産の買換え特例は、見直しのうえ令和11年3月31日まで3年間延長
居住用財産の買換え・譲渡損失に関する特例は、令和9年12月31日まで2年間延長
不動産を売却する際は、売却価格だけでなく、税金、住宅ローン、相続、管理負担、次の住まいまで含めて考えることが大切です。
木更津市・袖ケ浦市・市原市・君津市・富津市周辺で、土地・空き家・中古住宅・中古マンションの売却や住み替えをご検討中の方は、株式会社ユーズドエステートまでお気軽にご相談ください。
地域の中古不動産に強い不動産会社として、売却前の不安を一つひとつ整理し、現実的な販売戦略をご提案いたします。
※本記事は、令和8年度土地・住宅税制改正に関する資料をもとに、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の税務判断については、税理士または所轄税務署へご確認ください。





